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スウェーデンのガン患者はチェルノブイリの影響か?

国際社会はスウェーデンの報告によって、初めてチェルノブイリ原発事故の発生を知ることとなった。そのスウェーデンは、汚染に関するデータの収集も行っていたのである。

スウェーデンには、正確な住民登録はもちろん、正確なガン診断登録制度も存在しており、これらは晩発性ガンの調査を行う下地としては十分なものであった。これに基づき、1988~96年の間に、放射能汚染によるガンと認められるケースの調査を実施した。これによれば、1,143,182人の住民のうち22,409人がガンを発症していた。このデータと、セシウムの汚染レベルごとのガン発生率を併せて考慮すると、22,409人中849人がチェルノブイリ原発事故の影響を受けたと考えられている。

ヨーロッパ全体でも、ガン患者が増加した?

スウェーデンによる調査は、事故後2~10年後とされる晩発性ガンの調査としては期間が短すぎるため、精度としては不十分である。しかし、汚染地域およそ114万人のうち850人ものガン患者が増えたのであれば、旧ソ連を含めたヨーロッパ全土のガン患者はその100倍程度まで増加すると考えられる。

さらに、今後増加する分を考慮すれば、最終的にヨーロッパ全土で80万人にも及ぶガン患者が発生すると見積もられている。