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最悪の事故を防ぐには

フランスの実験データによって、「MOX燃料の燃焼度が高いと危険な状態になる」ということが明確に証明されている。実際、フランスはMOX燃料の装荷量を減らし、低燃焼度での運用を行っている。さらに、日本以外の多くの国では“設計上想定されていない事故への対処”を仮定し、緊急時の対策を検討している。

しかし、日本の場合は、そもそも「事故は起こり得ない」と想定しているのだから、策定された危機管理も緊急時対策も、無意味なものとなりかねない。したがって、MOX燃料の使用による“最悪の事故”を防ぐ唯一の方法は、“MOX燃料の導入そのものをやめること”に他ならないのだ。

「産業のための原子力」思考は再考すべき

原子力関係の重大事故が複数発生し、電力会社をはじめとする原子力推進側に大きな問題がある、ということもわかっている。それでもなお、政府が原子力政策を強く推進するのはなぜか?原発関連施設の雇用問題や、電力頼みの社会構造の維持をその根拠としているからだ。原子力への依存度や便利すぎる社会を、今一度見直す必要があるのではないだろうか?