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チェルノブイリ原発事故はどんな被害をもたらしたか

1986年4月、旧ソ連ウクライナ共和国のチェルノブイリ原発で史上最悪の事故が発生した。停止作業中だった四号炉の暴走が、爆発事故へと発展。格納容器を突き破った火柱は大量の放射性物質とともに、空高く噴き上がった。

10日後、旧ソ連政府は、放射性物質の大量放出が終息したとし、4ヶ月後にはIAEAに対して事故報告書の提出を行った。この報告書によれば、事故から10日後の時点における放射能の全放出量は355京ベクレルとされている。しかし、これは半減期による減衰を見越しての数値であった。これを受けて逆換算を行った結果、実際にはこの報告の3.5倍…1,260京ベクレルの放射能が放出されたと言う。

予想通りだった被害規模

アメリカには、原発事故の被害規模をシミュレートした「WASH-1400」という公式文書がある。これは“ラスムッセン報告書”とも呼ばれるが、これに基づいて計算すると、チェルノブイリ原発事故での放射能放出量は1,880京ベクレルとなる。これは、実際に放出されたとされる1,260京ベクレルにきわめて近い値である。